良くない意見書の一例を紹介します。
拒絶理由の典型的なものとして、「文献1と文献2とから容易である」というものがあります。
「容易」とは何か?については改めて書くことにします。
ここでは、「文献1と文献2とから」の部分について書きます。
本願発明をA+B、文献1の記載事項をA、文献2の記載事項をBとします。
審査官から、文献1にはAが記載されており、文献2にはBが記載されており、
よってA+Bは容易である、のような拒絶理由が通知されたとします。
これに対して、最も良くないのは、
「文献1にはBが書いてない、文献2にはAが書いてない」
とするものです。 (禅問答?)
さらによかれと、
「だから本願発明A+Bは文献1からも容易でなく、文献2からも容易でない」
と付け加えてしまう。これはさらによくないですね。
審査官に「拒絶理由を理解していない」という心証を持たれます。
(あるいは、審査官は「理解できるように工夫して書けばよかった」と反省する?)
続きは後日。
(元特許庁審査官 弁理士 田村誠治)