審査官のロジックを再現してみる(1)

29条2項についての「記」の部分の書きぶりは、審査官によってばらばらです。非常に丁寧なものもあれば、ポイントだけを記載したものもあります。「記」の部分にポイントだけが記載されている場合など、なぜ容易なのか分かりにくく、どう反論すればよいか迷うこともあるかと思います。どうすればよいでしょうか。

 

同一の審査基準に則って審査している以上、進歩性を否定しうる引用文献が同じであれば、審査官のロジックは大差ないはずです。そのロジックを「記」の部分にどのように表すかは審査官によって様々です。審査官のロジックをすべて「記」に記載したものを「審決形式」と言うことがあります。一方、ポイントだけを「記」に記載することを「簡略起案」と言うことがあります。

 

出願人としては、「記」の形式によらず、審査官のロジックを理解して対応すればよいわけです。「記」の部分にポイントだけが記載されていて、なぜ容易なのか分かりにくい場合には、審査官のロジック(審決形式)を再現してみるとよいでしょう。

 

<審決形式>

①本願発明は・・・と認める。

②引用文献1には、・・・(引用発明1)が記載されている。

③本願発明と引用発明1とでは、・・・の点で一致し、・・・の点で相違する。

④相違点について検討する。・・・。よって相違点は格別でない。

 

簡略起案では、①と、③の一致点の部分は省略されることが多いです。また、検討に値しないような相違点も、検討が割愛されることがあります。

 

一見そっけなく見える拒絶理由も、このように審査官のロジックを再現することで、どう反論すればよいか見えてくると思います。

 

ただ、中には、「記」の部分があまりに省略されすぎていて、29条2項の「記」としては疑問に思えるものもあります。これについては、続きを書きます。

 

(元特許庁審査官 弁理士 田村誠治) 

 

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